サッカー移籍金の仕組み 選手の取り分はあるの?
今夏の欧州サッカー市場もあと1週間程で幕を閉じますね。
毎年のように誰の移籍金がいくらというような話が話題にあがりますが、サッカーに詳しくない人だと思ってしまうのが、移籍金って選手にも収入として入るの?という部分ですよね。
今日はそんな疑問を解決していきたいと思います。
サッカーの移籍金とは
新聞や雑誌などでも移籍金と呼ばれていますが、実は移籍金ではなく違約金です。
違約金が発生する理由をACミランの本田選手を例に出して、説明していきます。
現在、本田選手はACミランと契約をしており、2017年6月30日までの契約となっています。
この期限まではACミランの選手ですので、この期限内に他のクラブに移籍をする際に契約破棄となるので、これにかかるお金が違約金(=移籍金)として報道をされているものです。
選手の取り分はあるの?
選手の取り分ですが、仮にAというクラブが本田選手を獲得したいという事でACミランとの交渉をして、違約金いくらで合意ということになるので、AというクラブからACミランへ支払われるという事で選手の取り分はありません。
ですが、AというクラブからACミランへ支払われるだけではなく、国際移籍の場合には連帯貢献金(移籍金の5%)という形で育成したチーム(12歳-23歳の間に在籍したチーム)へも移籍金の一部が支払われます。(育成したチームが申請する必要アリ)
移籍金の5%のうち
- 12-15歳まで所属したクラブは1年当たり移籍金の0.25%
- 16-23歳までのクラブは0.5%
この例としては香川選手がドルトムントからマンチェスターユナイテッドへ移籍した際に15億円が下記の割合で支払われています。
連帯貢献金は移籍金が15億円なので、5%の7500万円。
FCみやぎバルセロナ(12歳から16歳まで所属)が2千万円強。
残りは21歳まで過ごしたセレッソ大阪、23歳まで所属したドルトムントが在籍期間に応じてとなっています。
契約切れについて
先述の通り、契約期間がある際にそれを解消するための違約金として支払われているのが移籍金と言われているものなので、契約切れ(フリートランスファー)の場合には移籍金はかかりません。
再び日本人選手を例に出すと、インテルに所属する長友選手の場合は契約期間が2016年6月までとなっています。
長友選手はインテルとの契約延長がない限り、来年の夏にはフリーで移籍が出来るという事になります。
これは長友選手からしてみると、自分に興味を持ってくれるクラブなら何処とでも自由に契約が出来るという面がある反面、クラブ側からすると他クラブから移籍金を払って獲得した選手をフリーで出してしまうというデメリットがあります。
ですので、インテルはこの夏に長友選手と誰かをトレードする話やどこへ移籍させるみたいな話が出ているという事です。(残念ながら、契約延長の話が出ないという時点で構想外の可能性が高いです。)
移籍金の額の決まり方
移籍金の額はチーム間交渉で決まるというのが基本ですが、選手によってはクラブとの契約条項の中に50億円支払うチームがいれば自由に移籍が出来るというような契約がされているケースもあります。
また、若い選手の方が年輩の選手より移籍金が高くなる傾向や契約期間の残りが長いほど移籍金が高くなる傾向があります。

By: Kyle Simourd
まとめ
移籍金と言われているが、本当の意味を考えると違約金。
選手に支払われるのではなく、移籍元のクラブ及び、その選手を育成したクラブへ支払われるもの。